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相続に関するコラム

相続法改正のポイント

社会情勢の変化に対応するべく、平成307月相続法の大改正が行われ、そして令和元年71日から本格的にスタートすることになりました。

今回の法改正により、一般市民にはどのような影響があるのでしょうか。この記事では、新しい相続法における主な改正点について解説します。

 

 

自筆証書遺言に関するルール変更・制度新設

自筆証書遺言とは、本文、日付、署名を手書きで自書し、押印することで初めて有効となる遺言書のことをいいます。今回の改正では、この自筆証書遺言に関するルールについて重要な改正が行われました。

 

・財産目録のパソコンによる執筆が可能に(民法9681項)

従来、自筆証書遺言は本文や日付等内容をすべて手書きしなくてはいけないものでした。しかし、今回の改正ではその条件が少し緩和され、財産目録については各ページに署名・押印すれば、パソコンで書いたり、他人に代筆させたりすることも認められるようになったのです。

 

・自筆証書遺言を法務局で保管する制度の新設

これまで自筆証書遺言は作成者が自分で保管する必要がありました。しかし、遺言者本人による遺言書の保管・管理には、紛失や改ざん、さらに死後に遺言書を発見してもらえないといった、様々なリスクを伴うものです。

そこで、改正相続法では、自筆証書遺言を法務局で保管する制度を新設。これにより、作成した遺言書の原本や画像データを相続発生まで安全に保管できるようになりました、

 

 

配偶者保護の強化

超高齢化社会の進行に伴い、パートナーが亡くなった後でその高齢の配偶者が相続人として残されるケースが急増しています。

そこで、問題視されるようになったのが、残された配偶者の保護です。

これまでの民法では、他の相続人の関係や相続財産の内訳によっては、自宅を相続した相続人に配偶者が追い出される、あるいは他の相続人に遺留分等を払うために住み慣れた自宅を売却せざるを得なくなる、といったような事態が想定され、残された配偶者の生活が大きく脅かされるリスクがありました。

そこで、改正相続法では配偶者の保護を強化し、残された配偶者の生活基盤を安定させようとしたのです。

 

 

・自宅を贈与した場合の持戻し免除の意思表示の推定(民法9034項)

従来の規定では、妻が夫から自宅を生前贈与されたり、あるいは遺贈されたりした場合には、その分をいわば「遺産の前渡し分」として相続できる財産の中から差し引くというルールがありました(特別受益)。

つまり、非配偶者の「残された配偶者が生活に困らないように」という趣旨で自宅の生前贈与や遺贈を行った場合であっても、結果的に配偶者がもらえる遺産の総額は変わらない、ということになっていたのです。これでは、被相続人の意思を正確に反映できませんし、配偶者の生活安定という意味でも問題があります。

そこで、改正相続法では、婚姻期間20年以上の夫婦間で、配偶者に自宅の遺贈や生前贈与がされた場合には原則として特別受益として扱わない、というルールを設けました。これにより、自宅を贈与されても配偶者の相続できる財産が減らされることはなく、結果的により多くの財産を相続できるようになったのです。

 

 

・配偶者短期居住権の新設(民法1037条)

相続が発生した後、遺産の分け方によっては配偶者が自宅を手放さざるを得なくなるような事態もありえます。

そこで、改正民法では、最低限遺産分割が終わるまでの間、配偶者が自宅に住み続けられるようにしました。これが、「配偶者短期居住権」です。この制度の新設により、相続発生時に被相続人所有の建物に住んでいた配偶者は、遺産分割が終わるまでの一定期間、無償でその建物に住み続けられるようになりました。

 

 

・配偶者居住権の新設(民法1028条)

配偶者居住権は、配偶者が相続開始時に被相続人が所有する建物に居住していた場合に、建物を無償で使用及び収益できる権利です。配偶者短期居住権とは違い、配偶者居住権は原則配偶者が亡くなるまで存続します。

もし、配偶者が配偶者居住権を遺贈や遺産分割、あるいは家庭裁判所の審判で取得した場合には、残された配偶者は生涯その自宅に住み続けることができます。

しかも、配偶者居住権は建物の処分や用途に制限が設けられているため、自宅建物の所有権を相続するケースより評価額が抑えられます。したがって、自宅をそのまま相続するよりも、預貯金など他の財産を多く相続することが可能です。

 

特別寄与料請求権の新設(民法958条の3)

民法では、被相続人の介護や看病などをした相続人に対して「寄与分」として、より多くの遺産を受け取る権利を認めていました。

ところが、この寄与分は法定相続人についてのみ認められるものであり、改正前の民法では相続人ではない人(子の配偶者など)には認められていなかったのです。

そこで、民法では無償で被相続人の介護や看病に貢献するなどした人に対して「特別寄与分」を認め、相続人に対して金銭の請求を行えるようにしました。これにより、相続人以外の親族であっても、被相続人のために尽くした人については財産をもらえるようになったのです。

 

 

遺言や相続の相談は弁護士に

相続法の改正については他にも、遺留分の金銭債権化、遺産分割前の払戻し制度の創設といった重要な改正がなされています。改正相続法の施行以後、新たに発生する相続はすべて新しい相続法の適用を受けることになりますので、これから相続対策などを始める方はご注意ください。

相続トラブルを避けるためには、事前の対策が大切です。これから相続対策を考えたいという方、あるいは親の相続が不安だという方は、一度相続法のエキスパートである弁護士の助言を受けてみてはどうでしょうか。

 

 

 

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