相続の場においてトラブルのもとになりがちなのが「不動産を含む相続」です。現金とは異なり不動産は分割できないため、相続では名義変更が必要になります。では、相続で不動産の名義変更が必要になるのはどういったケースであり、どのような手続きが必要なのでしょうか。注意点とともに、解説していきます。
不動産の名義変更が必要なのはどんなとき?
一般的に不動産の名義変更は、不動産の売買を行ったときに必要です。しかし、それ以外では、以下3つのときに行うことになります。
・遺産相続
・生前贈与
・財産分与
遺産相続は、不動産の所有者が亡くなったあと、相続人へ相続を行うための手続きです。ごく一般的な相続の場合は、これに該当します。また、生前贈与は所有者が亡くなる前にあらかじめ相続(贈与)しておくこと。通常は遺産相続の相続人にならないお孫さんに、不動産を譲りたいときなどは生前贈与を行うことが多いでしょう。最後の財産分与は、婚姻関係にあった男女が協力して築いた財産を、離婚時に分配する手続きとなります。
売買を除くと、これら3パターンが不動産の名義変更の対象になるわけですね。次に、相続時に不動産の名義変更に必要な手続きを解説します。
不動産の名義変更はどんな手続きが必要?
相続における不動産の名義変更を行うと「相続登記」がなされます。
この相続登記の手続きは、
・遺産分割協議書
・登記簿謄本の取得
・(相続人の)戸籍や住民票の取得
・相続登記簿申請書類の作成
・法務局へ相続登記を申請する
という4つのステップが必要です。また、3つ目のステップで必要な書類は、
・相続登記申請書
・登記原因証明情報
・固定資産評価証明書
が該当します。このほか、登記時には登記免許税も必要です。
相続の不動産名義変更における注意点は?
冒頭でも述べた通り、不動産は、相続人の数で等分することができません。したがって、事実上、以下4つのいずれかの方法をとることになります。ここでは、相続人が3人兄弟だと仮定して、説明しています。
・現物分割…例えば兄弟3人が相続人だった場合、長兄は不動産を、次兄と末弟は現金預金を相続する、といった方法です。
・代償分割…長兄が不動産を相続し、不動産の価格に応じて次兄及び末弟に相応の金額(代償金)を支払う方法です。
・換価分割…あらかじめ不動産を売却し、現金化したあとに兄弟3人で分割する方法です。
・共有分割…不動産を分割せず、持ち分に応じて不動産を共同所有する方法です。
こうしてみると、一見「共同分割」が最も簡単で平和的に感じるかもしれません。しかし、共同所有は将来に問題を先延ばしするだけであり、おすすめできません。名義変更をしっかり行った上で、現物分割や代償分割、換価分割を選択するのが得策でしょう。
また、不動産の名義変更は必ず行わなければならないことではありません。しかし、相続の現場においては、「名義を誰にするか」が非常に重要です。特に代償分割を選択するときは、他の相続人に代償金を支払う資力がある相続人が、不動産の所有者にならなくてはなりません。トラブル回避のためにも、かならず名義変更は行うようにしましょう。
名義変更は素人でも可能?
不動産の名義変更については法律上、弁護士か司法書士が行わなくてはなりません。したがって、無資格の素人では難しいでしょう。また、相続が絡む不動産の名義変更は、弁護士に依頼するのがおすすめです。なぜなら、遺産相続協議の立会いや各種手続きなど、名義変更のほかにも様々な法的手続きが発生するからです。特に代償分割で手続きが煩雑になりそうなときは、まっさきに弁護士へ相談すべきでしょう。
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