財産を持った方が亡くなったあと、相続人が集まって遺産相続に関する話し合いを行うことが良くあります。
これは一般に「遺産分割協議」と呼ばれますが、毎回すんなりと話し合いがまとまるわけではありません。
時には意見の食い違いが発生し、調停が必要になることもあります。これが「遺産分割調停」です。では、遺産分割調停をできるだけ有利に進めるにはどうしたら良いのでしょうか。
1 遺産分割調停とは何か?
まず遺産分割調停について、簡単に説明します。
遺産分割調停とは、遺産分割の方法を話し合う「調停手続き」を指します。遺産分割調停では、家庭裁判所の調停官や調停委員が話合いを仲介するため、相続人同士が直接話し合う必要がありません。
そもそも、遺産分割協議の段階で話がまとまらなかったわけですから、お互いに顔を合わせて話し合うメリットが少ないですよね。
そこで、間に第三者として調停委員や調停官が介入し、冷静かつ公平に話を進めようという手続きです。
ただし、ここで勘違いしてはいけないことがあります。それはあくまでも「調停」であって、必ず結論を導き出す場ではないということ。
したがって、遺産分割調停でも話し合いに決着がつかなければ、調停は不成立となり、遺産分割審判に場を移すことになります。
遺産分割審判は話合いではなく、裁判官の判断により遺産分割の方法を決めてしまいます。このとき参考にされるのが、民法906条です。家庭裁判所の審判官は、民法906条に従いつつ各相続人の具体的な相続分が損なわれることのないように、分割を実行します。
“第906条(遺産の分割の基準)
遺産の分割は、遺産に属する物又は権利の種類及び性質、各相続人の年齢、職業、心身の状態及び生活の状況その他一切の事情を考慮してこれをする。”
つまり、自分の主張をできるだけ通したいときには、裁判官の判断にゆだねられる前に、遺産分割調停を有利に進めることが重要になってくるわけです。
2 遺産分割調停はどうすれば有利に進められる?
このように遺産分割調停は、「交渉」という側面があるために、進め方によって状況が変わってきます。
では、できるだけ有利に遺産分割調停を進めるにはどうしたら良いのでしょうか。ここではいくつかのポイントを紹介します。
遺産分割調停を有利に進めるポイント1:基礎知識を固める
遺産分割は、「現物分割」「代償分割」「換価分割」など複数の方法があり、どの方法を選択すべきかはケースバイケースです。
つまり、どのケースでどの方法が有利かを知っておかなくてはなりません。これを判断できるかできないかで、遺産分割調停の結果は変わってくるでしょう。
遺産分割調停を有利に進めるポイント2:妥協点の最低ラインを決める
調停はあくまでも話し合いであり、交渉でもあるので、自分の要求が全て通るとは限りません。
調停を長引かせず不成立に終わらせないためにも、ある程度の妥協点は考えておく必要があります。要は歩み寄りの姿勢と、落としどころの想定が重要ということですね。
遺産分割調停を有利に進めるポイント3:柔軟かつ常識的にふるまう
遺産分割調停においては、調停員や調停官の印象を良くするため、できるだけ柔軟かつ常識的な態度で臨みましょう。
暴言や罵倒は控え、冷静かつ客観的に自分の主張ができるよう心がけたいところです。調停で不利にならないためには大切なことです。
3 難航が予想されるときは弁護士に依頼すべき
このように遺産分割調停を有利にすすめるには、法律の知識や戦略的な視点、冷静かつ常識的な態度が求められます。
そこで、弁護士に依頼することも検討してみましょう。
調停申立書の作成、調停に出席する手間が省けます。
またポイント1の「基礎知識を固める」労力を節約することができ、なおかつできるだけ自分が有利になるような戦略を考えてくれるでしょう。
万が一調停が不成立に終わり、遺産分割審判に移行したときでも、弁護士がついていると有利です。なぜなら、遺産分割審判は書面審理が主な内容であり、どちらかといえば訴訟に近い性質をもつ手続きだからです。
デリケートかつ時間も労力も必要とする遺産分割調停を、法律のプロに任せて有利に進めていきましょう。
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