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相続に関するコラム

遺産分割協議書を作るときの注意点(その1)

遺産に不動産が含まれる場合,遺産分割協議書を作る上で何か注意点はありますか?

 

時折,このようなご質問をお受けすることがあります。そこで,今回は,上記のテーマについて,2回に分けて,簡単にご説明させていただきます。

 

まず,遺産を分割する際に,相続人同士で話し合い,合意した内容を書面にまとめる必要があります。

特に,不動産が遺産に含まれる場合はその書面が重要な役割を持つのです。

その書面を,「遺産分割協議書」と言います。

今回は,遺産分割協議書がそもそもどのようなものか,遺産分割協議書を作る際の注意点についてご紹介します。

遺産分割協議書を作らなければいけないという方は,ぜひ目を通してみてください。

そもそも,「遺産分割協議書」とは?

遺産分割協議書は,相続人全てが参加した遺産分割に関する話し合いの中で,合意に至った内容を書面にまとめたものです。

不動産の相続登記,預貯金や株式,自動車の名義変更手続きでも必要になる書類です。

そのため,遺産に何らかの不動産が含まれている場合は必ず遺産分割協議書を作らなければいけません。

遺産分割協議は,1度合意すると基本的に変更が不可能です。

相続人全てが合意すれば変更も可能ですが,基本的には1度決めたらそれに従うものだと思っておいた方が良いでしょう。

基本的には変更ができないため,遺産分割協議書を作っておくと「やはりこれには納得できない」と言って蒸し返すトラブルを回避することもできます。

遺産分割協議書は,公正証書にするのもおすすめです。

公正証書は公証人が関わっているため信頼性が高いと見なされ,様々な手続きをスムーズに進められます。

また,相続人同士のトラブルを回避する効果もより高まるので公正証書にした方が安心だと言えます。

それだけではなく,公正証書は公証役場に20年間保存されるため,紛失リスクを回避できるというメリットもあるのです。

しかし,公正証書にするためには費用がかかってしまう,完成までに時間がかかると言ったデメリットもあります。

自分たちで作るよりも費用はかかってしまいますが,トラブルを回避できるのであればそこまで大きな負担だと感じることはないでしょう。

遺産分割協議書は,遺産分割に大きな影響を与える書類でもあります。

相続人全員が納得できる形にするためにも,公証人に依頼して作ることは検討すべきだと言えます。

遺産分割協議書を作るときの注意点(その1)

遺産分割協議書を作る場合,いくつか注意しなければいけないポイントがあります。

続いては,その注意点についてみていきましょう。

・「代償分割」と「換価分割」のどちらにするか

代償分割と換価分割のどちらを選択するかで迷うケースは少なくありません。

ここでは,代償分割と換価分割の違いについて遺産が時価1億5000万円の不動産で,子ども3人が相続人になっているケースを事例に説明していきます。

代償分割は,不動産を1人の相続人が全て相続するという方法です。

そして,不動産が持つ時価の3分の1に相当する金額(金5000万円ずつ)を残りの相続人2人に代償金として支払います。

この場合,遺産分割協議書にその旨を記載する必要があります。

換価分割は,相続する不動産を3人で共有により相続した後に売却するという方法です。

この方法を採用した場合,不動産の共有持分(この場合は3分の1ずつ)に合わせて売却によって得たお金(各金5000万円)が分配されます。

どちらの方法も同額が分配されるため,どちらを選んでも良いように思うかもしれません。

しかし,各分割方法により,譲渡所得税・住民税に影響すること,翌年の社会保険料が上がる場合があること,所得税法上の扶養に影響が生ずることなどを踏まえて考える必要があります。

例えば,代償分割の場合だと不動産を相続しその後売却して代償金を支払う相続人に,換価分割の場合だと相続人全員に譲渡所得税・住民税が課税されます。

社会保険料に関しても,その相続人が加給する保険の種類(会社員の健康保険,公務員の共済組合,自営業者の国民健康保険など。)によっては,代償分割か換価分割かで違いが生じる場合があります。

親族の扶養に入っている相続人が扶養から外れるかどうかという点についても,代償分割は相続し代償金を支払う相続人,換価分割では相続人全員が注意しなければいけません。

それぞれの状況に応じて,代償分割と換価分割のどちらにするかを決める必要があります。

この部分に関しては,遺産の不動産に対していかなる分割方法を行うか選択するかについて、相続に強い税理士や社会保険労務士など弁護士以外の専門家にも事前に確認を行っておく必要があるかもしれません。

>>遺産分割協議書を作るときの注意点(その2)へ

 

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